原爆

昨日の原爆の番組を見た。
ふと学生時代に付き合っていた広島出身の彼女を思い出した。
彼女は「広島では夏になると、毎年原爆の絵やら作文ばかり書かされてうんざりした」と言っていた。
子供にとってはうんざりだろうが、これを忘れさせないのも、日本の義務だろうと今は思う。

アメリカ側からの原爆に対する認識は、以前からチラホラ報道されてはいたが、今回は投下したパイロットまでインタビューしていて、興味深かった。
何よりも衝撃的なのは、アメリカが撮影した当時の動画フィルムのカラー映像のきれいなこと。
多少はリマスターなどして、復元はしている事と思うが、日本の白黒映像とは雲泥の差だ。

アメリカが原爆を製作するのに使った何兆円、12万人という力。
対して日本は原爆を製作しようと、福島の中学生に素手でウラン石を掘らせていた。
大人と子供以上の不釣合いな戦争だった事が良くわかる。

あるパイロットが福島の郡山に落とすはずの原爆を、命令を無視し東京に落とそうとして失敗していた事など知らなかった。
米軍のパイロット達の一部は、その後核実験の被爆の実験台になり、自ら被爆した。
改めて原爆は投下すべきでなかったと話していた。
しかし一方で、広島や長崎に投下したパイロット本人は本国では英雄で、今でも「あれで戦争が終わったんだ。あのまま続けていたら、もっと犠牲者が出ていたに違いない」と語った。
それも一理あるのだろう。

今になって関係していない私たちから見れば、なんて馬鹿な戦争をしていたんだろうと思ってしまう。
原爆相手に竹やりで勝てるとでも思ってるのか、と。
しかしそうせざるを得ない状況に入り込んでしまったと思っている。

世界中で戦争のない状況が望ましいのは誰もが思っていることだろう。
戦争は勝っても負けても、傷しか残らないような気がする。
勝つためにも多数の犠牲が出る事に変わりはないのだから。


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