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「努力」

私は「努力」という言葉が好きではない。
特に自分のしたことを「努力」と言うのはもっと好きではない。

好きな事で成功しようと思ったり、上手くなりたいと思う時に「努力しよう」などと思うのだろうか?
ゴルフが好きなら、ただ「上手くなりたい」と思う事が練習場に足を運ばせ、球を打ち続ける根気を与えるのではないだろうか。
「商売を成功させたい」と思うなら、時間を惜しんで働くことだろう。

自分がしてきた事を「努力」という言葉で、自分自身を労うのは自由だが、人間不思議なことに、あとになってみると「もっとできたんじゃないか」「もっとうまいやり方があったんじゃないか」と思う方が圧倒的に多いような気がする。
そして時には「こんなに努力したのに」と言い訳に使ってしまうのである。

「努力」とは他人から見て「あいつ頑張ってるな」と見える事と私は定義している。
「うちの子はこんなに努力している」なんて親が言おうものなら、それはただの「親ばか」であると思う。

会社に就職した若者が、「俺は努力してるのに、会社が評価しないんだ。ろくな会社じゃないよ。」と嘆く。
会社とは努力を評価できる場所ではない。
実績は評価される。
親は「あなたは頑張ってるわねぇ」と褒めてくれたかもしれないが、会社がそれを評価してたら潰れてしまうでしょう。
一生懸命練習したプロゴルファーが、初優勝し「努力が実りました」と言えばカッコはつくし、賞金も入ってくる。
しかし一生懸命練習しても予選落ちばかりの選手は、誰も努力を認めてくれないだろうし、賞金も入らない。

哀しいかな、「努力」とは実績が伴ってから評価されるものです。
実績が出るまでは「努力」は「努力」でない、と私は思うのです。

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